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トップス ¥24,000, ボトムス ¥26,000

WILLY CHAVARRIA × WISM
= WILLY CHAVAWISM

Text & Edit_Maruro Yamashita
Photo_Tatsunari Kawazu

シンプルでありながらも、一筋縄ではいかないような個性がにじみ出る洋服。つまりは、作り手の想いとこだわりが十二分に詰まった洋服。それこそが〈WILLY CHAVARRIA〉だ。デザイナーのWilly Chavarria氏が、自身の名前をそのままブランドネームとしたこのブランド。Willyのパーソナリティーをストレートに反映したようなコレクションは、一度袖を通すだけで心を奪われるような”何か”を持っている。WISMが心酔している〈WILLY CHAVARRIA〉の魅力を解き明かすガイドとして、来日中だったデザイナーのWilly Chavarriaと、WISMのバイヤーである堀家龍の対談をお届け致します。

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ー WISMでは<WILLY CHAVARRIA>をいつから取り扱っているのですか?

堀家:元々はウィリーが以前にやっていた<PALMER TRADING>の方を最初に見ていたんです。最初から、良いなって思っていたんだけど、会社的な事情で仕入れることは出来なくてそのまま終わっちゃって。で、〈WILLY CHAVARRIA〉がスタートしたときに改めてコレクションをチェックしたら、全然雰囲気は違っていたんだけど、また凄い格好良い! って思って、取り扱いを始めました。

ー では、ウィリーはWISMという店をどのように思っていますか?

Willy:面白いことに、先日WISMの皆さんと夕食に行ったときにも同じようなことを話していたんです。<WILLY CHAVARRIA>で働いているスタッフは皆、WISMで働いている人たちと共通しているようなところがあります。<WILLY CHAVARRIA>には、ハイファッションとストリートファッション、両方の感覚を持っているのですが、WISMというお店のあり方も、まさにその二つを同時に提案していますよね。エレガントなアイテムに対してストリートなアイテムを合わせたり。そういう精神的なところがとても似ていると思います。

ー <WILLY CHAVARRIA>にはウィリー自身のルーツが色濃く反映されているという記事を過去に読んだことがあります。改めて、そのルーツについて教えてください。

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Willy:デザイン、シルエット、洋服ドレープ感などは全て、私自身のチカーノとしてのルーツからインスパイアされています。メキシコ系アメリカ人による、パチューコやチョロというスタイルの影響です。

ー パチューコというのはどのようなスタイルなのでしょうか? 日本人にはあまり馴染みのない言葉ですが。

Willy:私はカリフォルニアの小さな町で育ちました。少し荒っぽいエリアでした。昔から、メキシコ系アメリカ人はアメリカのなかで不利な状況に置かれることが多く、自らのアイデンティティーをサブカルチャーとして取り込み、発展して来ました。抑圧に対する抵抗や、プライドを持ったカルチャーです。パチューコというのはズートスーツなどを着こなしたスタイルで、1940年代に生み出されました。それがチョロというスタイルに発展していったんです。オールドスクールなパチューコの若者バージョンですね。僕はそういったアイデンティティーを、ハイファッションのレベルに持ち込みたかったんです。もちろん、カーキのチノのバギーパンツに白Teeというクラシックなスタイルは今でも健在ですが、それをよりファッションの要素に持ち込みたかったんです。今シーズンでパチューコのカルチャーを大きく反映しているアイテムはこれです(teeを手に取る)。ブラウンパワームーブメントを象徴しているんだ。チカーノカルチャーのプライドを表現したムーブメントで、とても象徴的なアイテムです。

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ー <WILLY CHAVARRIA>のような、ストリートやサブカルチャーから生まれた要素をファッションに落とし込むというのは、WISM的にも共感を覚えるスタイルでしょうか?

堀家:そうですね。あと、単純に彼が物凄い格好良い。こんなに厳ついのに、とても優しかったり、凄いエンターテイナーだと思うんですよね。彼自身もコレクションも。本当に唯一無二なものだと思っていて。エッセンスとしては色んな要素があると思うんですよ。でも、アイテムひとつとってみるだけで、<WILLY CHAVARRIA>らしさが浮かび上がるんですよね。普通だったら、ブランドのアイテムを店で展開するときって、こういう風に並べてブランドらしさを出そうとか考えるんだけど、<WILLY CHAVARRIA>の場合は一つのアイテムでブランドらしさが出るんですよ。それも全てのアイテムに手抜きをしていないからですよね。

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ー <WILLY CHAVARRIA>のコレクションからは、エレガントな要素と力強い要素を同時に感じます。それぞれのコレクションにテーマはあるんですか?

Willy:この質問は私にとってとても光栄です。なぜなら、私はデザインをする上で、常にエレガントな雰囲気がありながらも、力強いマスキュリンさを描き出すようにしているからです。力強くタフでありながら、同時に美しく見えるような人たちが好きなんです。ですから、モデルキャスティングも常にタフガイを選んでいます。毎回のコレクションはいずれも、パチューコのシルエットをルーツにしていますが、今季の特徴的な要素としては、90年代のHip Hopからの影響があります。あとは、囚人服をモチーフにしたものがあります。カリフォルニアのチカーノは、刑務所から出た後でも、囚人服を着続けることが多いんです。今私が着ているアイテムはまさにそこをモチーフにしています。日本のファッションはときにチカーノファッションとクロスオーバーするタイミングがあって、とても面白いと思っています。こういったオーバーサイズのリラックスしたシルエットでベルトのついたアイテムは、ヨージヤマモトのドレープしたようなシルエットの世界観を思い出させます。彼はパチューコのスタイルから影響を受けているんじゃないかと思っているんです。

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ー 興味深いお話ですね! では、WISM的にこの春夏の<WILLY CHAVARRIA>のコレクションの中でもオススメのアイテムはなんですか?

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堀家:全部オススメなんですけど、なかでもこのバギーっぽい感じとかは凄い格好良いですよね。ポケットのディテールも。そういう一つ一つが囚人服からのインスパイアを感じますよね。今自分が着ているやつがうちの別注なんですけど、これは『アメリカンヒストリーX』とか『カラーズ』とかを見ていたときに、囚人服ってすごい格好良いなって思って。で、彼のコレクションにもそこからのインスパイアがあって。だからこそ、こういう服も別注でやりたいと思ってお願いしたんです。アイテム自体はブランドの定番のもので、それをデニム生地でやりたいと思ったんですよね。<WILLY CHAVARRIA>は世界中で引く手数多だろうし、とても良いお店でセレクトされているんですよ、ハイブランドをメインで扱っているような。それは勿論とても良いことですが、自分達だったら彼の洋服をもっと幅広い層に見せてあげることが出来ると思うんですよ。そこで、日本生産にしてなるべく価格を抑えて安定供給できるような形を取りたかったんですよ。

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ー それは別注のアイテムを日本で作ったということですか?

堀家:そうなんです。日本の生地をNYに持っていってソーイングして、それをまた自分たちが仕入れてってことになると、やはり値段も上がってしまうので、Willyの監修のもとで日本で取り組んでみたんです。だから名前も<WILLY CHAVARRIA>とWISMをミックスさせたかったんで、最終的に〈WILLY CHAVAWISM〉という名前になりました。ネームも新たに作って。

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ー WillyはWISMからこの提案をもらってどう思いましたか?

Willy:最高だと思いました。WISMはファッションをシリアスにシリアスに考え過ぎていない。そこには常にパズルのような楽しいエナジーを感じるんです。だから<WILLY CHAVAWISM>もある種のジョークのようなレーベルで、シリアスになり過ぎていない。そこがクールだと思います。コラボレーションをすることは、お互いのバイブスをそのお客さんたちに向けて、一緒に作り上げることが出来るという点においてとても良いことだと思っています。特に、我々は持っているヴィジョンもとても似ていますしね。

ー それでは、日本のファッションカルチャー全体についてはどう思いますか?

Willy:アメリカとは全く違いますよね。日本のファッションカルチャーはより革新的だと思います。アメリカのファッションカルチャーはTVだったりポップメディアからの影響がより強いと思います。例えば、カニエ・ウェスト。アメリカのファッションにおいて、大きな影響力を持っていて、皆が彼と同じような着こなしをしようとしていますよね。けど、日本には本当に沢山の異なるスタイルがあると思います。人々が、自分自身を洋服で表現することにおいて、リスクを取っていると思います。

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ー Willyは現在はどこに住んでいて、どのようなライフスタイルを送っているんですか?

Willy:生活のベースはNYCです。ビジネスがありますからね。コペンハーゲンでも沢山の時間を過ごしますし、住んでもいました。とても静かで、街並みの建築が最高に美しいんです。光の感じも家具も建築も、人々も道のデザインも完璧なんです。なので、私にとってとてもピースフルな場所ですね。頭をリセットさせて創作するのにも良いですし、ファッションもとても美しいです。なので、私はコペンハーゲンで創作を行い、NYCでビジネスを行なっています。NYCには私のお店もありますしね。こういったスタイルを取れていてとても幸運です。普段は仕事をしていることが多いですが、それ以外ではNYCだったりコペンハーゲンの街を探索しています。私にとっては、街からインスパイアを受けることがとても多いんです。コペンハーゲンに住んでいた時に、とてもシンプルで美しいものを沢山見ていたので、この春夏のコレクションにはシンプルなアイテムが多くあります。それはコペンハーゲンからの影響ですね。

ー ファッション以外で趣味はありますか?

Willy:ないんです(笑)。しいて言うなら、料理をすることですかね(笑)。メキシコ料理をよく作りますよ。アートも好きですし、友人でもあるペインターと、ペインティングと洋服を融合させたプロジェクトも進行中です。アウトドアも好きです。コペンハーゲンはとてもアウトドアにあふれた街なんです。ロッククライミングやボルダリングなどをよくやりますよ。君はファッション以外に趣味ある?

堀家:トレーニングかな。

Willy:僕もだよ!

堀家:それで繋がってるよね(笑)

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ー 最後にお互いにメッセージを!

Willy:一緒に仕事ができてとても幸せです。とても良い関係性が築けていると思うし、君のお店や仕事に対するエナジーは素晴らしいです。僕だけじゃなくて、僕のチームの皆もWISMとの仕事をとても喜んでいます。それに龍はとても良いスタイルを持っているよね。<WILLY CHAVAWISM>にも良い影響を与えてくれているよ。

堀家:こんだけ格好良いし、料理で喩えたら、<WILLY CHAVAWISM>っていう物凄い良い調理器具があって、あとは自分たちでそれをどうタイムリーに、格好良く、一人でも多くの人たちに知らせれる火加減をやるのが、自分たちの仕事だと思っているんですよ。だからそれを、今回信用してくれて、この話を実現してくれた彼にはとても感謝しています。いつまでも格好良い先輩でいてください。

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